恋 愛 いろいろ

仕事を終えて、子供たちをお迎えに行く道すがら、駅前のちょっとした広場で月に2〜3回見かける男性と女性の2人組みがいました。

心地よい春の夜空の下でも、夏の蒸し暑い夕暮れでも、秋の落ち葉降る中でも、冬の寒い風の中でも、2人は最寄りのスーパーのペラペラの袋の中にビールのロング缶6本セットを据えて、2人で大きな声で笑いながら飲み交わしていました。

外飲みしていること、仕事帰りであろうこと、いつもそこで2人が時間を共にしていること、そしてとても楽しそうなこと。

その光景からお得意の妄想を膨らませて、大人の純愛物語や秘密の慕情、人知れぬ関係と、思い巡らせていました。

そんな観察日記も一年を過ぎた今日、なんとそのいつもの光景が、がらりと変わっているではありませんか…!

2人組みの男女は女性の2人組みになり、いつもの女性は不満気な調子で会話を繰り広げ、相手の女性はひたすらに相槌を打っている。いつものスーパー袋の中のビールだけが、今までと変わらない姿を留めていました。

 

あのお二人は、、、またしても妄想の翼がはためきそうになったその時。

交差点に出る前にかけた自転車のブレーキが、翼のはためきをも止めました。

そもそも何も知らない男女の事情を妄想していた私。いくら妄想でもお節介が過ぎないか。

 

想像も妄想も物語もごくごく個人的な楽しみの中ではとても面白いけれど、残しておく余白こそがその広がりを美しくするのでしょうね。

 

風景に余白があるから風景画

誰にも届かぬ立ち入れぬ域